最近

 ゲーム『街』の実況プレイ動画を見始めました。群像劇? というのかな。各主人公の物語どうしが絶妙に絡み合って引き込ませる。特徴の一つとして、TIPSに溢れてる、というのがあり、シュタゲもそんなでしたが、ああいうのって『なんとなく、クリスタル』が初出なのかなぁ、と考えています。というかパート数180ってなんだ。見切れる気がしない。
 それと最近、夜行性になってきた。不健全できるのは健康な証拠かなぁ、なんて考えるとちょっとうれしい。
 最近、すっかり創作から離れてしまいました。書いてないし、読んでもいない。石田千『みなも』を手にとってみる。読もう読もう、と思って、なかなか読めてない本ばっかり、本棚にあふれてる。だめだなぁ。来年は本を読む年にしよう。
 今年もあとひと月。あっという間だ。入院してたのが昨日のように思える。でも確かに、あれから3ヶ月以上の時間が流れているのだ。その間、私はおおむね平和でしたが、平和なりにも色々とあり、私の周辺では人間関係をはじめとして色々とあり、「生きてると色々起こるなぁ」というのが最近の口癖になりつつある。色々、の中には、喜ばしくないニュースも混ざっていたりしますが、でも、何も起こらないよりはずっとマシなんじゃないかと思う。死んじゃったら、もう何も起こらないですからね。
 以上、近況報告でした。

なんでこう考えなしなんだろう…

 今日インターネッツしてたら「アドベントカレンダー」なる文化を知り……。私もまねしてみるか、という気持ちに。でも「特定のテーマに沿って」って言われてもなぁ……こういう時にお題サイトとかとても便利で、「小説用お題ったー。」様の力をお借りして今日から24日まで一編ずつ短いお話を(本当に短いお話)を思いつきで書いていくことにしました。長らく創作から離れていたし、リハビリも兼ねて。でも、あの、本当に思いつきで始めるので途中で投げたり飛ばしたりしたらすみません。あと面白さも別に保証しないです。許してください。

 三題提示されるうちの、一つ選んで書いていく方式にします。今日はこれ。
『今ならしんでもいいよ・鋭い棘を言葉で包む・星屑が降る夜』
 なので、やっていきましょう。

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 星屑が降る夜、あの子は自殺した。
 その晩の流星群は本当に美しかった。幾重もの雫が夜空を渡った。温度のない光たちは水面に撥ね、街を照らし、網膜に刺さった。あの子が死んだのはその夜のことだった。
 彼女がその日を選んだ気持ちを、私は少しだけ分かるような気がする。

 口づけを交わしたのは二年前のことだった。私たちはサークルの同期だった。出会ってひと目でお互いを意識しはじめたくせに、変に意地っ張りで(そう言うと彼女はいつもすねたようにそっぽを向いた)、自分の気持に素直じゃなくて、いたずらにお互い別の恋人を持ったりした時期もあった。けれどそんなんじゃ胸の炎は休まらないで、いよいよ私達に我慢の限界はやってきた。
 合宿中の、夜中のことだった。私達は何人かの仲間と海辺まできて、酔っ払った頭でおしゃべりしたり、時折だまったり、夜空を見上げて——田舎の夜だから、星が冴え冴えと明るかった——ちょっと歌をうたったりした。やがていい加減に眠くなって、だれかが戻ろうか、と言った。みんな重い腰を持ちあげて、宿舎へとぼとぼ歩き出した。あの子だけが動かなかった。私も動かなかった。二人で並んで、ぼんやり、白み始めた空を見つめていた。
「ねぇ」
 私は言った。なあに、とあの子が言った。私にはあとに続く言葉がなかった。見つめ合って、キスをした。
 三秒。
 お酒の甘さ。
 唇を話したとき、あの子は泣いていた。
「今ならしんでもいいよ」
 ……ばかね。
 私は立ち上がって、急ぎ足でその場を離れた。胸が痛かった。炎は私の全身を焦がすようだった。

 そうして甘やかな時が訪れた。いくつかの季節はあっという間に過ぎていった。私達のあいだにことばと情事とおくりものが積み重なり、その重みは私に生きる活力を与えた。けれど終わりもまた簡単にやってくるものだった。私達はある時から思うようにことばを交わせなくなった。すれ違った感情はやり場を失い、それを求めるうちにいくつかのケンカを巻き起こした。
 私達、脱皮が必要なんだわ。
 あの子が言った。収まりきらなくなった器に固執するのは不健全だ。あの子は分かっていた。私も分かっていた。けれど認めたくなかった。でもいよいよ破綻は訪れ、私達はまるで何もなかったかのように別々に生き始めた。別々の生き物のように。それは強がりだった。私達はどちらも強がりな性質だった。
 でもあの流星群を見たとき、私はいくらか素直になれそうな気がした。あの光のようにまっすぐ、あの子の部屋まで、駆けていけるような気がした。それができたらどれほど良かっただろう。一瞬の感傷に流されるほど私はもはや子どもではなかった。その晩、あの子は死んだ。私は何かを悔いたかった。けれど何を悔いればいいのか、今もまだよく分からない。

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 なんで一発目からこんなに暗いんだろう……。まあいっか。

早速ふつかサボった

 今日はこれ。
『誰も知らない二人だけの秘密・細い鎖を手に・闇に浮かぶ白い首筋』

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身体だけの関係は困難だ。
 先輩は疲れていたのか眠ってしまった。私は情事のあと特有の、けだるい体でベッドから抜け出す。薄暗い部屋を横切り——まどべの薄くひらいたカーテンから、街のあかりがこぼれてくる——冷蔵庫からコカ・コーラを取りだす。キャップをひねって二口。強烈な炭酸が喉を焼き焦がすようだった。私はこれが苦手だった。けれどスーパーでこの500mlのペットボトルを買い込むとき、私には誰かを想う幸福があった。
 行き止まりの関係は困難だ。
 ふり返れば闇に浮かぶ白い首筋が見える。おだやかな呼吸のリズム。今のうちに、あの肌に赤い痕でもつけたらどうなるだろう、と私は考えてみる。私はいい子なので、そんなことはもちろんしない。いい子なので「二番目」でも文句は言わない。いい子なので飲みものも用意しておく。その見返りがつりあわないと思っても、今の立場に甘んじる。いい子だから。
「あやはいい子だね」
 そのことばは胸中で何度もよみがえった。それだけが私のとりえなのだと思った。
 秘密の関係だった。
 その事実が私を慰めていた。先輩がここにいることを素敵なあの人は知らない。みにくい、と思う。うすぺらな優越感に固執するしかない私は、ひどくみじめだと感じる。けれど私にはそれしかないのだ。——でも、本当に?
 ときどき、先輩を刺し殺してしまえば全て解決するのではないか、と考えることがある。
 先輩はまだ目覚めない。
 ベッド脇には空のペットボトルが転がっている。私はそれを持ち上げて、窓からの光にすかしてみる。違和感を先輩は気にもとめなかった。怖い時代だわ、と思う。
 先輩を刺し殺してしまえば全て解決するのではないか、と考える。そう思うことが多々ある。身体だけの関係は困難だ。行き止まりの関係は困難だ。どこかでなにかを変える必要がある。そしてその時がやって来たのだ。
 先輩はまだ目覚めない。

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アドベントカレンダーやるとか言ってそっこーで2日サボってしまったの反省してます。
小林銅蟲はちゃんとやってるのに……。

生活

 アドベントカレンダーやるとか言っといてがんばったの最初の2日だけとかなの我ながら笑えますよね(おいこら)。初志貫徹はむずかしい。来年の目標にします。
 最近はまぁぼちぼちと暮らしています。ムカつくのは、あの人が私なしでも生きていけるんだろうなってこと! 私はあの人なしじゃ生きていけないのに。その非対称性。
 どうしたら依存から抜け出せるのだろう。だれか教えてください。

年の瀬ですね

 今年は激動の一年だったなぁ、と思う。なんせ入院までしました。遠く懐かしい病院での生活。あの時間を、あのころ一緒にいた人々のことを、ときどき思い出すことがある。あのおじさんは元気にしてるのかな、とか、あの中学生は無事退院できたのかな、とか。入院、できればするものじゃないと思うけれど、私はあのタイミングでそれを経験できてよかったな、と心の底から思う。
 そういえば数日前まであの人と大喧嘩していた。
 きっかけは何だったろう、たぶんあの人の連絡があんまりにそっけないことに起因するのだと思う。とにかく大喧嘩で、なんというか、身を削る思いだった。それでもなんとか、くさいものに蓋をするようにして私たちは仲直りをしました。私も、感情にふりまわされたりはしないようにしよう、気をつけよう、と思いました。それでもそういう性向なのだから仕方ない。ちょっとは多目にみてよね、とも思うけど。でもやっぱり私はあの人なしじゃ生きていけない、って再確認した。

 そうして昨日から実家に帰ってきました。ここでの暮らしは快適で退屈で、私は本を読んでいる。江國香織『間宮兄弟』。久しく読書から離れていたから、なんだか新鮮で楽しくて、目が疲れる。今年は読んだほうだったと思う。来年も読む一年にしよう。読書ノートとかつけちゃおう。

 年末の空気がすき。とにかく終わりよければ全て良し、みたいな強い力を感じる。むりくりでも、いい一年だったと笑えれば、なんだか色々丸く収まっていくような気がする。ひどく激動だった私が言うんだから間違いないです。とりあえず生きていることに感謝。生きて2018年を終えられそうなことに、感謝の思いです。
 小説も書くぞー。そのうちに。


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